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中国のサブカルチャー第一弾――古代音楽

2024.06.05

中国特有のサブカルチャーの中から、中国文化と深いつながりがある一つをご紹介させていただきます。

それが――「古风音乐」、古代音楽です。

「古风音乐(古代音楽)」、または「古风歌(古代曲)」というのは、21世紀から中国のネット上で生まれ、擬古詩詞風の歌詞があり、漢民族の伝統的な楽器で演奏する歌のことです。歌詞は、主に古代中国の神話伝説、韻文などを元にして創作されています。近年の中国発のゲーム、アニメ、ドラマなどにもよく起用されています。

中国の古代、歴史に関するものといえば、「三国志」を思い起こす方がいらっしゃるでしょう。

中国ボーカロイド洛天依(るぉ・てんい)が歌う三国志ロック、『权御天下(権御天下)』をご紹介します。「古风音乐」のイメージが掴めますよ。

 

本家のURLがこちらです:

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そして、中国語と日本語訳を下に示します。

《权御天下》

作詞 St

作曲 乌龟

作画 酥妃

アニメーション 墨兰花语

調音 挨批熊

【东汉末 狼烟不休】 後漢末 戦乱の狼煙がやむことは無かった

【常侍乱 朝野陷 阿瞒挟天子 令诸侯】 十常侍が世を乱し 世は堕落し 阿瞞が天子を擁立し 諸侯に号令をかけていった

【踞江东 志在九州】 江東により 志は九州にあり

【继祖业 承父兄既冕主吴越 万兜鍪(móu)】 祖先の事業を継ぎ 父と兄の後を承け 呉の帝王となった

【纵天下 几变春秋】 天下をほしいままにし 何年も経った

【稳东南 面中原 水师锁长江 抗曹刘】 東南を安定させ 中原にむかい 水軍を長江にかまえ 曹・劉に対抗した

【镇赤壁 雄风赳赳】 赤壁を領有し 威風堂々

【夺荆楚 抚山越 驱金戈铁马 灭仇雠(chóu)】 荊楚を奪い 山越を抑え 戦でもって 仇敵を滅ぼした

【紫发髯 碧色眼眸】 紫髯碧眼(しぜんへきがん)

【射猛虎 倚黄龙 胆识过凡人 谁敌手】 猛虎を射て 黄龍によりかかる 胆力と識見は常人にあらず 敵う者なんているものか

【御天下 半百之久】 天下を御すること 五十年

【选贤臣 任能将 覆江东云雨 尽风流】 有能な家臣を抜擢し 江東を覆う雲や雨すら 自由自在

【千秋过 再难回首】 長い時が経ち もう思い返すことすら難しくなった

【问古今 兴亡事 几人耀青史 芳名留】 古今興亡のことを問うてみれば いったいどれほどの人が 歴史にその名を留めたというのであろうか

【笑谈间 云烟已旧】 談笑しているその間にも ぼんやりと過去のことになっていき

【终留下 万古叹 生子该当如 孙仲谋】 やがて とこしえに 子供を産むなら孫仲謀のような男がよいと 称えられるようになった

【运帷幄 英雄几拂袖】 帷幄の中 英雄たちをしかりつける

【阴谋 阳谋 明仇 暗斗】 表でも裏でも 謀略をめぐらし闘おうとも

【化作一江浊浪东流】 それらは長江の濁流と化すのだ

【君不见 军赤壁纵野火 铁索连环】 君には見えまい 赤壁で 連環した敵に 火を放つのも

【也不见 御北敌 联西蜀 长江上鏖(áo)战】 北の敵から守り 西の蜀と連合し 長江で激闘を繰り広げる姿も

【继遗志 领江东 屹立于 神州东南】 遺志を継ぎ 江東を領有し 神州の東南に屹立する

【尽心力 洒英血 展伟业 剑气指苍天】 心血を注ぎ 偉業を展開し 刀を蒼天に向ける

【军帐内 公瑾智 张昭谋 奇策频献】 軍陣の中では 公瑾の智が 張昭の謀が 次々と奇策を出す

【沙场上 太史勇 甘宁霸 一骑当十千】 戦場では 太史慈の勇が 甘寧の覇が 一騎当千の活躍を見せる

【纵使有 千万种 寂寞和 孤单相伴】 たとえあらゆる さびしさと孤独を伴うとも

【既受终 冠帝冕 龙椅上 成败也笑看】 遺志を継ぎ 帝王の冠をかぶり 玉座についたのだ 敵を成敗するのに容赦はせん

【铁瓮城 难攻易守】 鉄瓮城は 攻めるのには不向きだが守るのにはたやすい

【旌(jīng)旗立 苍空蔽 逾百千雄师 万蒙舟】 旗を立て 蒼空を隠さんばかりの 数多の軍団 萬の軍艦

【善制衡 眼光独秀】 それをうまくコントロールし 眼光鋭く

【擢(zhuó)鲁肃 劝阿蒙 聚贤成霸业 名利收】 魯粛を抜擢し 阿蒙を励まし 賢人を集め覇業を成し 名誉と利益を手に入れた

【固疆土 施德恩厚】 領土を固め 仁徳ある政を行い

【军心定 百姓安 富国又强兵 重耕耨(nòu)】 軍を一つにまとめ 民を安んじ 富国強兵に努め 耕作を重ね

【交远好 未雨绸缪】 遠方と交流し 万全を期す

【联南洋 合林邑 行军远渡海 驻夷洲】 南洋と連携し 林邑を合し 行軍して遠く海を渡り 夷州に進駐す

【残垣下 枯木凋朽】 壊れた壁の下 枯れ木が朽ちていく

【想当年 麦城边 截兵缚关羽终其寿】 当時を思い返すと 麦城のあたりで 孤立させた関羽を縛り その天命に終わりを告げさせた

【凭栏倚 横看吴钩】 手すりによりかかり 呉鉤を見る

【叹乱世 几时了 天下归一统 没(mò)其咎】 乱世を嘆き いつか天下は統一されるであろう これに罪はないのだ

【称帝王 壮心仍稠】 帝王を称するも 情熱は冷めやらず

【却无奈 自孤傲 同室亦操戈 子嗣斗】 余の我儘で 跡継ぎ争いが起こるのは 仕方がなかったのだ

【千年后 恚(huì)恨徒留】 千年後には うらみつらみだけが残ってしまった

【再何寻 军帐里 将士聚欢饮 赏箜篌(kōng hóu)】 もう一度 軍営で 将兵たちを集め飲み 音楽を楽しみたい

【运帷幄 英雄几拂袖】 帷幄の中 英雄たちをしかりつける

【阴谋 阳谋 明仇 暗斗】 表でも裏でも 謀略をめぐらし闘おうとも

【化作一江浊浪东流】 それらは長江の濁流と化すのだ

【君不见 吕子明 踏轻舟 白衣渡川】 君には見えまい 呂子明が 小舟に乗り 白衣を着て川を渡るのも

【也不见 陆伯言 烧连营 火光上冲天】 陸伯言が 敵陣を焼いた その炎が天へと届かんばかりに燃え上がったのを

【善制衡 选贤臣 任能将 共谋江山】 うまく立ち回り 有能な臣下を選抜し 凄腕の将を任命し ともに天下の大計を謀るのだ

【听忠言 摒逆语 树威严 宝剑斫(zhuó)书案】 忠言を聴き 妖言には耳も貸さず 威厳を保ち 宝剣で机を切りつけた

【夺荆州 抗刘备 合曹操 共克襄樊(xiāng fán)】 荊州を奪い 劉備に抗し 曹操と連合して 襄樊の地を勝ち取った

【守夷陵 任陆逊 剿敌军 火计破蜀胆】 夷陵を守るため 陸遜を任じ 敵を滅ぼすため 火計で蜀を打ち破った

【固江河 成帝业 立国家 终归于乱】 江河を堅く守り 帝業を成し 国家を立てたが 結局は乱世に戻ってしまった

【光阴逝 千载过 功成者 都付笑谈间】 長い長い年月が経ち 功績をあげた者はみんな お話のネタとなったのだ

【君不见 军赤壁 纵野火 铁索连环】 君には見えまい 赤壁で 連環した敵に 火を放つのも

【也不见 御北敌 联西蜀 长江上鏖战】 北の敵から守り 西の蜀と連合し 長江で激闘を繰り広げる姿も

【继遗志 领江东 屹立于 神州东南】 遺志を継ぎ 江東を領有し 神州の東南に屹立する

【尽心力 洒英血 展伟业 剑气指苍天】 心血を注ぎ 偉業を展開し 刀を蒼天に向ける

【君不见 吕子明 踏轻舟 白衣渡川】 君には見えまい 呂子明が 小舟に乗り 白衣を着て川を渡るのも

【也不见 陆伯言 烧连营 火光上冲天】 陸伯言が 敵陣を焼いた その炎が天へと届かんばかりに燃え上がったのを

【善制衡 选贤臣 任能将 共谋江山】 うまく立ち回り 有能な臣下を選抜し 凄腕の将を任命し ともに天下の大計を謀るのだ

【听忠言 摒逆语 树威严 宝剑斫书案】 忠言を聴き 妖言には耳も貸さず 威厳を保ち 宝剣で机を切りつけた

【纵使有 千万种 寂寞和 孤单相伴】 たとえあらゆる さびしさと孤独を伴うとも

【既受终 冠帝冕 龙椅上 成败也笑看】 遺志を継ぎ 帝王の冠をかぶり 玉座についたのだ 敵を成敗するのに容赦はせん

【固江河 成帝业 立国家 终归于乱】 江河を堅く守り 帝業を成し 国家を立てたが 結局は乱世に戻ってしまった

【光阴逝 千载过 功成者 都付笑谈间】 長い長い年月が経ち 功績をあげた者はみんな 話のネタとなったのだ

 

いかがでしたか?難しい漢字がよく見られるのも「古风音乐」の特徴の一つですね。

YouTubeでは、日本語バージョンの「权御天下」を歌った人もいるらしいですよ!

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